かんすいの働き
中華めんの「こし」を生む魔法 かんすい
豆腐を作るのに「にがり」が必要なように、ラーメンのめんにどうしても欠かせない成分、それが「かんすい」です。中華めんならではの風味と、こしは、「かんすい」から生まれます。
元来、中国では草や木や根の灰を溶かした水、またはミネラルを多く含んだ井戸水などでしたが、現在では、これらに溶けている主成分のカリウム、ナトリウムの炭酸塩とリン酸塩を原料として、そのうち1種類か2種類以上の混合物を「かんすい」と言っています。「かんすい」の成分や純度は、食品衛生法によって規格が定められ、安全な食品添加物として認められています。
また、ラーメンが黄色みがかっているのは、小麦粉に含まれる天然の色素に「かんすい」が作用し、自然に発色したものです。
「かんすい」の効用
インスタントラーメンにとって「かんすい」は、中華めんのこしをつくるほかにも、つぎのような作用があります。
● 中華めん特有の風味をつける
● めんの風味とともにスープに調和して、嗜好性を高める
● めんのゆでぐあいや伸びぐあいの調和をよくする
即席中華めん1食分100g相当に使用される「かんすい」の量は、およそ0.1g~0.2g程度が適量となります。ただし、ノンフライめん(非油揚げめん)の場合は、0.3g~0.6g程度が適量です。なお、めんに使用される「かんすい」の水素イオン濃度はph7~8の微アルカリ性を示し、スープの風味とあいまって、おいしさを醸し出しています。