めんの製造工程
めんになるまでの5工程
1.【こね水調整】食塩、かんすいを水に溶かす
食塩、かんすいなどを水に溶かす作業です。
食塩は「めん質」や味のために、小麦粉1㎏に対し、通常10~30g。かんすいは中華めんの「めん質」と味のために、1~2g(ノンフライめんは3~6g)程度が使われます。
2.【混合・練込み】小麦粉と加水調整液を混ぜ合わせ、こねる
混ねつ機(ミキサー)で小麦粉と加水調整液を混ぜ合わせ、こねる作業です。液量は小麦粉1㎏に対し、0.3~0.4㎏。液温は20~30℃。時間は15~20分。ここでできあがった生地を「ドウ」といい、細かい網状の組織ができて、めん質の「こし」を生み出します。
3.【めん帯(おび)形成】生地を回転して、強く、均一に
生地を回転している2個のロールの間に通し、まず2枚のめん帯を作り、そのあと1枚にします。この工程でめん帯を強く、均一にします。ロールの間隔が狭すぎると、めん質が悪くなるため注意します。また、複合の前に、生地を一定時間熟成させる(ねかす)場合もあります。
4.【圧延(あつえん)】圧延ロールでめんの網状組織を強化「こし」を強くする
厚さ10mm程のめん帯を圧延ロールにかけて、1mm前後まで薄くします。2個1組のロールを4組以上組み合わせ、徐々に薄くしていきます。ここでめんの網状組織を強化し、「こし」を強くします。途中、100分の1mmまで測定できるゲージを用いて厚みの一定化を図っています。
5.【めん線切り出し】めん帯を切刃でめん線にする
切刃・ウェーブ圧延後、めん帯を切り出し機にかけます。切刃が回転して、めん帯はめん線になります。
中華めんは18番から22番、和風めんは10番から26番という刃を使います。30mmの幅から18本のめんが切り出されるのが18番で、1本のめんの幅が約1.67mmとなります。中華めんの多くはウェーブがかかっていますが、それはめんを切り出した後にウェーブボックスという装置でめんを上下方向に位置規制することで付けられます。めんに強いウェーブがあることで、めんの間にすき間が多く空き、めん同士が上下に積み重ならず、接触部分を小さくすることができるので、めん同士のくっつきが防止できます。
めんになってからの5工程
6.【蒸熱(じょうねつ)】蒸し機でめんを蒸す
大部分のめんは、連続蒸し機を通して蒸熱します。通常なら100℃の蒸気で1~5分間蒸します。ここでめんの中のでんぷんが消化できる状態となります(アルファー化)。
ラーメントリビア
めんの美味しさが決まる!アルファー化とは
めんの主原料の成分の約7割はでんぷんです。
このでんぷんを、2~3分の簡単な調理でおいしく食べられるように、蒸気の熱によって胃で消化できる状態に変化させることを「アルファー化」といいます。
蒸熱のほかに、ゆで上げることによってもアルファー化は達成できます。
7.【型詰め】金属枠に1食ずつ入れて成型する
多くはここで、切断、型詰めします。めんを40~70cmに切断し、棒状乾燥めん以外のものは、丸型か角型の金属枠に1食ずつ入れて成型します。
8.【乾燥処理】めんを乾燥させる
主に「油揚げ」か「ノンフライめん(熱風乾燥)」のいずれかの方法で乾燥させます。
「油揚げ」の場合
めんを金属枠ごと140~160℃の揚げ油に入れ、1~2分通過させます。生地の段階で30~40%あった水分がここで3~6%になり、でんぷんのアルファー化がさらに進みます。
「ノンフライめん(熱風乾燥)」の場合
金属枠ごとに熱風乾燥機にいれ、80℃前後の熱風で30分以上乾燥させます。
このふたつ以外の方法として、蒸煮しためんを有機酸で処理した後に殺菌する「生タイプ即席めん」があります。
9.【冷却】100℃以上になっためんを冷ます
めんの処理後、100℃以上になっためんに冷風を吹きつけ冷まします。この後、重量・形・色・乾燥度・油揚げ状態・冷却温度などについて検査を行ないます。
10.【包装】すばやく容器に入れて密封・包装する
できあがっためんは、別添の調味料やかやくとともにフィルムで密封するか、または容器に入れてから、アルミなどの蓋材で密封し、のちに収縮フィルムシートで包装します。