世界のインスタントラーメンへ 1990年~
海外市場の発展
1958(昭和33)年に日本で初めて誕生したインスタントラーメンは、「国民食」となり、さらに全世界へと普及しました。
1958(昭和33)年、関西で生まれた即席めんは、スープ別添やノンフライめん、焼そば、和風めんなどに分化するとともに、味もしょうゆから、みそ、塩などへ多様化し、1971(昭和46)年のカップめん登場によって、ほぼ現在の産業形態が確立しています。
即席めんの技術は、アメリカ、アジア、ヨーロッパにまで移転がなされ、国民食から世界の食へと発展していきました。
日本で生まれた新しい食文化が、「国民食」となり、さらに全世界に受け入れられたのです。
このように、海外での即席めんは、アジアを中心に世界に広がっており、特に1990年代から途上国での所得水準上昇にともなって急増しています。
1990(平成2)年には150億食そこそこと見られた消費量が、2001(平成13 )年には500億食に達し、2012年(平成24)年には1,000億食を突破(1,014億食)、直近の2013(平成25)年では1,056億食となっています。
各国で消費が急増している背景には、安藤百福氏が開発の目標に掲げた「安価」、「簡便」、「安全・衛生的」、「保存性」、「美味」、「保存できる」、この5原則によって、人々が安心して購入できることに加え、各国あるいは地域の食材、味付け、フレーバーに馴染み、各国の伝統の味と融合することができることが、世界中の多くの人の心をつかんでいる理由と考えられます。
世界ラーメン協会と即席めんCODEX規格
世界各国で即席めんの消費が拡大し、即席めん産業が急速に発展する中、日本で生じた模倣・過当競争などの市場の混乱が世界レベルでも生じることを恐れた安藤百福会長の呼びかけで、1997年3月、東京にて「第1回世界ラーメンサミット」が開催されました。
ここで、日本即席食品工業協会に加盟しているインスタントラーメンメーカーと海外9ヶ国を代表するメーカー10社にて、インスタントラーメン産業の健全な発展を目ざした、「世界ラーメン協会(略称IRMA=International Ramen Manufacturers Association)」が設立がされました。
議長には、一般社団法人 日本即席食品工業協会理事長の安藤宏基が選出され、会長には、一般社団法人 日本即席食品工業協会会長の安藤百福が選任されています。
「世界ラーメン協会」は、「国際食」インスタントラーメンの共通する環境的な問題や、技術的な問題などについて世界中のメーカーが話し合い、情報交換をはかっていくことを目的とし、今後の活動方針を次のように定めています。
データベースを東京本部に設置する。
CODEXに対応した統一規格基準づくりに取り組む。
廃棄物処理問題について取り組む。
有事対策として緊急時に対応できるよう、製品の備蓄、無償提供の方法について検討する。
「第1回世界ラーメンサミット」以降は、ほぼ2年に一度、各国持ち回りでサミットが開催され、会員各社が互いに関心のある問題、課題について討議するほか、会員が必要とする情報収集の場としております。
なお2007(平成19)年に「世界ラーメン協会(IRMA)」は「WINA(World Instant Noodles Association)」になりました。