保存性を高める加工

おいしさ長持ちの秘密

インスタントラーメンは保存食としても信頼性の高い食品です。製品の保存性を高めるためにどのような加工が施されているか、また、購入後の保存方法についてお話ししましょう。

保存性を高める加工

1.乾燥処理、高温処理

めん、粉末スープ、乾燥かやくは、水分の多いものでも約14.5%と低い数値を示しています。
液体スープや水分含量の多いかやくの場合、包装前後の高温処理工程を経ることによって変質を防いでいます。

2.水分活性、phなどによる静菌効果

液体スープやペースト状のスープの素などは、水分量を少なくするために濃縮したり、食塩、糖類、調味料を溶かし込むことによって水分活性値(微生物の成育に適する水を示す度合い)を低く抑えるように調整されています。また、ph値の調整やアルコール添加による静菌も行なわれています。

3.油脂の酸化防止

使用する油や油脂を含む原材料は、酸化安定性の高い原料油脂や素材を選んでいます。加工工程では過度の加熱を避けるなど、油脂劣化を防ぎ、さらに酸化防止効果のある天然ビタミンEを加えています。ですから保存中の油脂の酸化による品質低下はほとんど心配ありません。

4.包装容器の吟味

インスタントラーメンの容器、包装材料は、湿気、酸素、光線の遮断性が高く、耐熱性、耐油性、機械強度の高いものを採用し、さらに保存性を高めています。

購入後の上手な保存方法

  1. 直射日光を避ける
  2. 常温で保管する
  3. 湿度の低い場所に
  4. においの強いもののそばを避ける

この4つのポイントを守って保存すれば、品質の低下を防ぎ、安心してインスタントラーメンを食べることができます。

このようにインスタントラーメンは徹底した管理のもと、保存性を高める技術を集大成して作られている食品です。とりわけJASマークのついた製品は、品質検査に合格した確かな商品として、より安心して味わえます。その他、インスタントラーメンの取扱い・保管・利用に関するご注意として以下もご覧下さい。

インスタントラーメンの取扱い
保管・利用に関するご注意

インスタントラーメンは乾燥や包装等の高度な生産技術によって長期間の保存が出来ます。このため、家庭での常備食品としてだけではなく、保存食として利用できます。但し、保存・取扱いに当たっては次の点にご注意下さい。

  • 直射日光を避ける
  • 常温で保管する
  • 湿度の低い場所に保管する

また、特に次の点にご注意下さい。

1.「移り香」について(平成20年10月28日)

カップめん、袋めんを「防虫剤」「殺虫剤」「洗剤」「芳香剤」「化粧品」等、香りの強いもののそばに置くと、それらの香りが移ることもありますので、取扱・保管には十分ご注意下さい。
「移り香」に関する取扱いの注意については、可能な限り注意書きもしくは注意マークを表示するよう推奨しています。「移り香」に関する注意書きおよび注意マークの例は以下のようになります。

(1)注意書きの例:
①高温多湿や香りの強い場所、直射日光を避け常温で保存
②においが強いもののそばで保管しないで下さい。においが移る可能性があります。

(2)「移り香」注意マークの例:

2.発泡ポリスチレン製容器に「しそ油」、「エゴマ油」、「ココナッツオイル(やし油)」、「亜麻仁油」などを加えた際のお湯もれの可能性について(平成28年3月16日)

独立行政法人農林水産消費技術センターなどで行った実験結果から、発泡ポリスチレン製容器に「シソ油」 、「エゴマ油」、「ココナッツオイル(やし油)」、「亜麻仁油」などを加えて熱湯を注いだ場合、容器の内面が変質し薄くなったり、状況によっては容器の底からお湯がこぼれでる可能性があるとの指摘がありました。紙製以外のカップめんの容器の多くは発泡ポリスチレン製食品容器に該当致しますが、お湯を注ぐだけではこのような現象はありません。

消費者の皆様には上記のような利用方法は厳に避けていただき、容器に記載の調理方法にてお召し上がり頂くよう改めてお願い致します。
なお、熱湯によるやけどにはこれまでもご注意頂いておりますが、今後とも十分ご注意下さるよう重ねてお願い申し上げます。

ポリスチレンについての最新の情報は日本スチレン工業会HPをご覧下さい。