めんの種類
めんの種類は大きく2つ
「油揚げめん」と「ノンフライめん(熱風乾燥めん)」
「油揚げめん」と「ノンフライめん(熱風乾燥めん)」
めんは、乾燥方法の違いによって大きく「油揚げめん」と「ノンフライめん(熱風乾燥めん)」に分けられます。
油揚げめん
「油揚げ」は、めんを入れた金属枠ごと140~160℃の揚げ油に入れ、1~2分通過させます。生地の段階で30~40%あった水分がここで3~6%になり、でんぷんのアルファー化がさらに進みます。
ノンフライめん
名前の通り、油で揚げない 「ノンフライめん」です。めんを金属枠ごと熱風乾燥機にいれ、80℃前後の熱風で30分以上乾燥させます。この方法によるめんを、「ノンフライめん(熱風乾燥めん)」といいます。
※このふたつ以外の方法として、蒸煮しためんを有機酸(主に乳酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸など)で処理した後に殺菌する「生タイプ即席めん」があります。
ラーメントリビア
めんの美味しさが決まる!アルファー化とは
めんの主原料の成分の約7割はでんぷんです。
このでんぷんを、2~3分の簡単な調理でおいしく食べられるように、蒸気の熱によって胃で消化できる状態に変化させることを「アルファー化」といいます。
蒸熱のほかに、ゆで上げることによってもアルファー化は達成できます。
水分と脂質に大きな違い
「油揚げめん」と「ノンフライめん(熱風乾燥めん)」とで成分が大きく異なるのは、水分と脂質になります。油揚げめんはノンフライめんより水分がかなり少なくなっています。
逆に、脂質は「油揚げめん」が20g前後であるのに対し、「ノンフライめん」は油で揚げていないので、4~6gと「油揚げめん」 の4分の1くらいの量です。
インスタントラーメンの栄養成分(可食部100g当たり数値)
区分・成分等 | 油揚げめん | ノンフライめん | 油揚げカ ップめん |
ノンフライめん | 油揚げカ ップ焼そば |
エネルギー(kcal) | 458 | 356 | 448 | 342 | 436 |
水分(g) | 3.0 | 10.0 | 5.0 | 15.0 | 10.0 |
たんぱく質(g) | 10.1 | 10.3 | 10.7 | 9.0 | 8.4 |
脂質(g) | 19.1 | 5.2 | 19.7 | 6.4 | 18.9 |
炭水化物(g) | 61.4 | 67.1 | 56.9 | 62.2 | 58.1 |
灰分(g) | 6.4 | 7.4 | 7.7 | 7.4 | 4.6 |
ナトリウム(g) (めん) |
2.5 | 2.7 | 2.7 | 2.7 | 1.5 |
ナトリウム(g) (かやく) |
0.8 | 0.8 | 1.1 | 0.8 | 1.3 |
ナトリウム(g) (スープ) |
1.7 | 1.9 | 1.6 | 1.9 | – |
カルシウム(mg) | 430 | 110 | 190 | 95 | c |
「日本食品標準成分表2010」
(文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会より)
インスタントラーメンの主な成分は、たんぱく質、脂質、炭水化物、灰分、水分などです。両方とも最も多いのが炭水化物で、製品の種類により多少の差はありますが、100g当たりの含有量は約60g。これは、めんの主原料が小麦粉やそば粉なので、当然製品に占める割合が多いためです。
たんぱく質は8.4~10.7g、灰分は4.6~7.7gと、含有量に若干差があるのは、小麦粉やそば粉の種類や配合割合によるものです。
©食塩量はナトリウム量×2.54
栄養成分表示では、塩分量はナトリウム量で表示することになっています。一般的な塩分量(食塩相当量)は、ナトリウム量×2.54で求められます。
製品の特長によってちがう、めんの原材料
インスタントラーメンに多く用いられるのが、準強力粉
小麦粉は、たんぱく質の含有量により、強力粉、準強力粉、中力粉及び薄力粉に分けられます。さらに外国産か国内産かによっても、品質特性に差異があります。インスタントラーメンには通常、準強力粉が多く用いられていますが、製品の特徴を出すため、他のものも使われます。
高度な品質管理が必要な「生きている」小麦粉
小麦粉は製品の品質に最も影響を与える主原料なので、入荷時に成分分析などによって、その品質が定められた条件に合っているかどうかが検査されます。
また、小麦粉は「生きている」といわれるように、保管状態によっては品質に変化が起こることもあるため、適正管理の設備が整った倉庫に保管し、特に湿気を避けるよう管理されています。
それぞれに適した粉の成分比率があります。
中華めんに適した小麦粉の成分比率 ※一例
即席中華めんには下表のような成分構成の小麦粉が適しているとされています。
成分 | 水分 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 灰分 |
量(%) | 13.7 | 10.5 | 2.8 | 72.6 | 0.4 |
そばに適したそば粉の成分比率※一例
そば粉は香気の高い新鮮な粉を使用し、そばの実を挽砕して作ります。
取り扱いは小麦粉と同じですが、そば粉の場合、とくに香気が変化しやすいため大量の備蓄は避けるように管理されています。
成分 | 水分 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 灰分 |
量(%) | 13.5 | 10.3 | 2.7 | 71.5 | 1.6 |